フェヌグリーク種皮について

フェヌグリーク種子の胚乳と種皮は、まったく違った組成をしています。種皮には、ジオスゲニンやヤモゲニンなどのステロイド骨格を有するサポニンや、フェヌグリークの芳香の基である精油分(フェヌグリークオイル)、さらにタンパク質などが含まれています。

フェヌグリークオイル

ソトロン構造式(2KB)

フェヌグリークオイルは、種皮を水蒸気蒸留することで取ることが出来ます。フェヌグリークオイルは、暗褐色の精油で、17種類の精油が含まれています。これらの芳香成分は、低分子の脂肪酸、脂肪分解物、アルキル化メトキシピラゾン類とフラノン類から構成されています。この内最も強い芳香を持つ成分は、ソトロン(Sotolone:3-Hydrocy-4,5-dimethyl-2(5H)-furanone)で、これらの成分が、合わさってカレーの香りを作っています。その他に多くのテルペン類も含まれていますが、これらは、芳香には関係していません。 主成分のソトロンは,お酒やぶどう酒などのコクのある香りと関係があると考えられております。

フェヌグリークサポニン

フェヌグリークオイルを取った種皮からアルコール抽出するとフェヌグリークサポニンが取れます。

フェヌグリークには、フロスタノール型とスピロスタノール型の2つのタイプのステロイド骨格を持つサポニンが含まれており、最も多く含まれているのはジオスゲニンやヤモゲニンと呼ばれるフロスタノール型のサポゲニンです。フェヌグリーク種皮には、約15%のサポニンが含まれており。重要なサポニンの供給源となっています。特にジオスゲニンは、黄体ホルモンのプロゲステロンの前駆物質で、女性ホルモンや副腎皮質ホルモンの原料になっています。

フロスタノール型サポニン (2KB) スピロスタノール型サポニン (2KB)

フェヌグリークサポニン自体には、食欲増進作用、コレステロールの低下作用(難溶性の化合物を作る)、抗がん作用、坑ウイルス作用などがあると言われております。これらの作用は、サポニンが持つ界面活性作用と関連づけて考えられていますが、今のところは、まだ十分には解っていません。現在で言えることは、フェヌグリークサポニンは、天然の乳化剤、発泡剤として非常に広い用途を持っていることです。

フェヌグリークサポニンは、他のサポニンに比べて優れた乳化作用を持っていて、どのオイルに対しても安定な乳化作用を示します。

フェヌグリーク種子には、約32%の粗タンパク質が含まれている。タンパク質のほとんどは、種皮部分に含まれており、種皮部分だけで見ると約42%がタンパク質となり、非常に重要なタンパク質原料である。エアーグリーンでは、この種皮から純粋のタンパク質だけを取り出して製品化する研究を行っております。この製品は、消化性が、90%以上で、純度の高いタンパク質で、その組成は、他のマメ科の植物から取れるタンパク質とよく似ていて、リジンが多く、含硫アミノ酸が少ない特徴を持っております。

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