ノニが注目されるようになった理由

ノニが南太平洋の島々で古くから薬用植物として使用されていたことが広く我々に知られるようになったのは、1972年イギリスの宣教師が、ハワイの人々がノニを病気の治療に使っていると発表してからです。それからノニに関する研究が行われました。そして非常な関心が寄せられるようになったのは、ハワイ大学のラルフ・ハイニッケ博士が、パインアップルに含まれるブロメラインの研究を行っていたとき、パイナップルの抽出液の中からキセロニンと言う物質を発見しそれが、人間の生理活性に非常に強い効果を与えることが解ってからです。彼は、ブロメラインそのものには、あまり大きな効果が無いのに、ブロメライン以外の物質も混ざっているパイナップルの抽出液には、生理活性があることから、何らかの生理活性物質がパイナップルに含まれると考え、その物質を探す研究を始めました。研究の結果、ハイニッケ博士は、1974年にその物質がプロキセロニンと言う物質で、プロキセロニナーゼと言う酵素の存在下でプロキセロニンがキセロニンに変換することを突き止めました。さらに彼はノニがパイナップルの40倍のプロキセロニンを持っていることを発見しました。それから彼は、研究対象をパイナップルからノニに変更しました。

ハイニッケ博士は、キセロニンに関してある仮説を立てました。ノニに含まれるプロキセロニンは、キセロニンの前駆物質で、吸収されて肝臓に蓄えられ、各細胞の要求で肝臓から放出されて細胞に送られ、細胞内でプロキセロニナーゼの働きによりキセロニンに変換する。変換したキセロニンは、弱った細胞を修復して正常な細胞に変え、又正常な細胞が正常な機能維持するのを助けると言うものでした。この仮説が正しければ、ノニにも当然キセロニンがあると考え、キセロニンの単離を試みました。仮説どおりノニは、キセロンを持っていました。そのキセロニンを収集して次の実験をしました。

2つのグループのマウスに一方は、猛毒のテトロドトキシンを、もう一方には、テトロドトキシンとキセロニンを同時に投与しました。当然テトロドトキシンだけを投与されたマウスは、痙攣して全部死んでしまいました。一方、キセロニンとテトロドトキシンを同時に投与したマウスは、何の状態の変化もなく全部が生存しました。この実験の結果、ハイニッケ博士は、キセロニンに対する自分の仮説に確信を持つことが出来ました。

キセロニンについて

ハイニッケ博士によれば、キセロニンは、小さなアルカロイドで、ピコグラムの単位の微量でいろんな生理作用を引き起こします。(ピコグラムは、1兆分の1グラム)これらの生理作用は、あらゆる生物で起こりますので、あらゆる生物は、キセロニンを持っていると考えられています。又、キセロニンは、人を含めたあらゆる生物で自らが作り出し、直ちに利用され、そして、破壊されますので、それを体の中から検出することが不可能です。キセロニンは、プロキセロニンからプロキセロニナーゼと言う酵素の作用により細胞で作られます。キセロニンが作られるときには、キセロニンは、他にビタミン、ミネラル、タンパク質などと協力して弱った細胞を修復して正常化する作用を行います。それらの他の物質は、肝臓の細胞のゴルジ体からプロキセロニンとセットにして細胞に送られます。

人が健康であると言うことは、体にあるすべての細胞が正常に機能している状態を言います。その為、健康な人は、その人が作り出すキセロニンだけで十分に正常な細胞を維持できます。一方、人が健康で無くなることは、ある部分の細胞が正常に機能しなくなること言えます。その場合、体は、異常になった細胞を修復するためにより多くのキセロニンを必要とするようになります。しかし、通常の食事で摂取出来るプロキセロニンの量は、限られていますから、プロキセロニンの供給が十分におこなわれず常にキセロニンが不足する状態になり、細胞の修復が行われなくなるので、その人は、ますます不健康な状態、即ち病気になります。キセロニンが全くない状態では、多くの種類の病気が多発して死んでしまいます。もし、必要な量のプロキセロニンを補給することが出来るなら、異常な細胞が修復され、病気が治ることになります。そのプロキセロニンの補給をノニがしてくれます。しかし、この理論に対する研究がまだ十分に進んでいないのも事実です。

一酸化窒素について

自動車の排気ガスに含まれる汚染物質である一酸化窒素(NO)が体の中では重要な役割を果たしていて体のほとんどすべての働きに一酸化窒素が関与していることが解ってきました。そのためこの学説は、1998年度のノーベル医学賞になりました。例えば免疫機構では、マクロファージが一酸化窒素を産生する。一酸化窒素は、ガン細胞や細菌に作用してDNAの合成とミトコンドリアでの呼吸作用を阻害することで細胞毒性を発揮しガン細胞を殺します。血管系では、血管壁にある内皮細胞が一酸化窒素を発生させます。一酸化窒素の量に応じて血管の平滑筋は弛緩し、血管は拡張し血圧が低下します。逆に一酸化窒素の産生量が少ないと血管は収縮し血圧が上がります。神経系では、一酸化窒素は、伝達物質として働き神経細胞や脳の機能を効率化します。又、一酸化窒素による血流の増加は、脳を含めた各組織の機能を高めます。一酸化窒素は、強力な抗酸化物質であるので活性酸素の様なフリーラジカルを除去し、コレステロールの酸化や血栓の生成を防ぎ、動脈硬化や心臓病、脳卒中を防止します。この様な多様な作用を持っている一酸化窒素の産生を、ノニは、増加させる作用を持っています。

多糖類

主としてグルクロン酸配糖体、ガラクトース、アラビノースそしてラムノースからなる多糖類が含まれています。この多糖類が、一酸化窒素を増加させている元でありますが、この多糖類は、又マクロファージやTリンパ球を刺激してインターロイキン、インターフェロン、ガン壊死因子などの免疫を増強する物質の産生を増加させ、免疫機構を強化します。免疫機構が強くなると異物であるガン細胞や病原菌、アレルギー源となる抗原を体内から除去し、ガン、感染症、アレルギー疾患に罹らなくなります。又、糖尿病や甲状腺異常などホルモンに関係する病気は、最近の学説では、自己免疫疾患であると言われています。自己免疫とは免疫機構が異常になり、自分の細胞を抗原と誤認してしまうことで起こる病気で、例えば糖尿病の場合膵臓のランゲルハンス島にあるベータ細胞を抗原と見なし破壊してしまうことで、インシュリンの分泌量が低下するために起こると言われています。ノニを服用することで、免疫機構が正常化すると、このような自己免疫疾患により引き起こされる病気を防ぐことが出来ます。

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